カカカカカ…。「こんな鳴き声、聞いたことないよ、ママ」。東京都文京区音羽にある護国寺の境内で、小学生の娘と“音探検”をしていたら、何百羽ものカラスの鳴き声が数分間続いた。自分の町なのに、今まで気づかなかった不思議な鳴き声。わが町の再発見に、親子でわくわくしました。
私が主宰している「音あそび教室」では、生活や自然の音に耳を傾ける「音マップ作り」をしています。意識して聴くことを通じ、楽器の音色や演奏、曲の気持ちを感じ取る心をはぐくむのです。
生け垣の間を飛び回るスズメ、雑木林の小鳥の声、公園のブランコの音、境内の石段を上る靴の響き、砂利の音、バドミントンで遊ぶ子どもたちの声…。お寺は豊かな音に満ちていました。都会のマンション暮らしで自然の音を感じることが少なくなっています。雨音も、風の音も部屋の中では聞こえません。音集めをしたことで、住んでいる町がぐんと身近になりました。
集めた音と映像は、パソコンを使って、手書きの地図の上にはり付けます。デジタル化された音を、のり付けする感覚で、地図上にぺたぺたと置くだけ。映像と娘が描いた絵を組み合わせると、音マップの完成です。
自分の町を紹介するのに、映像だけでなく、こうやって音で伝え、感じてもらう試みが広がっています。三重県四日市市では「音地図」を使ったコミュニティーづくりに取り組んでいるそうです。原風景とともに、サウンドスケープ(音風景)も心のふるさと。情報技術(IT)の活用で、楽しい思い出づくりができます。
ピーピーピー…。台所の音は、電気釜、それとも電子レンジかな? (ささき・なおこ=音あそび教室代表) |